いきのびる魔法-いじめられている君へ-

著者 :
  • 小学館 (2013年1月23日発売)
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感想 : 51
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いじめによる痛ましい事件が起きる度に、「逃げろ」「死んじゃだめだ」とみんな言うし私も思う。しかし、死なずに逃げた先でどうしたらいいのかが今ひとつ漠然としていると云うか、じゃあ今度はどこまで逃げたらいいんだろう?みたいな。ゴールの見えないマラソンを走るのは大人でもしんどいものな。

そんな歯痒さをも感じていた矢先だったので、サイバラ先生のメッセージには非常に感動しました。『カネの話』もそうでしたが、キレイ事を言わずに希望を持たせるってすごい事だと思います。

また、故・鴨ちゃんの戦場での経験が凄まじい。
「子供は無垢で純真で天使。故に、残酷」そんな側面をこれほどの説得力をもって訴えかけてくるエピソードはちょっとないんじゃないでしょうか。
いじめている側の無自覚や残酷さや罪悪感の無さって、こういう事なんだよ。いじめ被害者・加害者・傍観者、全員に突き刺さるのでは。

全ての学校図書館、学級文庫に入れていただきたい。
一刻も早く。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本(日本)
感想投稿日 : 2013年1月31日
読了日 : 2013年1月30日
本棚登録日 : 2013年1月31日

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コメント 7件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/01/31

「いじめている側の無自覚や残酷さや罪悪感の無さ」
確かに最近の報道を見て、「無自覚」さを強く感じます。

F本さんのコメント
2013/01/31

人死にが出てからよく聞かれる加害者側のコメント「いじめのつもりじゃなかった」って、許される許されないに関わらず結構「本音」だと思うんですよね……。
その辺りの事にも触れられていたので、サイバラ(そして鴨ちゃん)スゲーなと、心から思いました。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/02/04

「スゲーなと、心から思いました。」
子どもの情操教育が、どれだけ大切かってコトですよね。

F本さんのコメント
2013/02/08

教育を受けないままに戦場に出て、戦争に参加する少年兵。
読み書き算数を習っていても起こる「いじめ」問題。
大変なことです。大人総出で考えないと。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/03/15

「大人総出で考えないと。」
どうすれば、そう言う雰囲気と言うか、土壌と言うかが出来るのか。そのためには積極的に関わっていきたい。。。

F本さんのコメント
2013/03/19

何でもかんでも「全部大人が悪い!子供は巻き込まれているだけ!」と言うのは好きじゃないんですが、大人が子供に与える影響の大きさを考えると、(自分も含めた)大人が子供の前でどのように振舞っているかを正さねばならないなあ、と。
学校の先生だけじゃなくて、全ての大人が子供に関わってはいるはずなんですよね。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/04/30

「全ての大人が子供に」
仰言る通りです。普段の生活で、周りの子ども達に恥じないようにします。。。とは言え、朝早く夜遅いので子どもを見掛けない毎日です。。。

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