僕が20世紀と暮していた頃 (中公文庫 の 8-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (1997年8月1日発売)
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時は2036(平成48)年。
八十路を迎えた野田秀樹翁が「20世紀までは確かにあったけど21世紀になってなくなってしまったモノ」を孫たちに語って聞かせる。

という体の、小説のようなエッセイ。野田秀樹は戯曲もエッセイも大好きです。

20世紀の遺物として取り上げられているモノの中で、例えば「ガリバン」「カエルの解剖」「運動会の白足袋」なんかは、私も経験したり肉眼で確認したりしたことはないのですが、それでも「ああ、あったらしいですね」くらいの相槌は打てますねえ。
「ダイヤル」式の電話(とそれに付随するクルクルのコード)は家にあったし、「柱時計」も祖父の家で見たことあるなー。ああ、あと「押入れ」にもよく幽閉されました、母に。

そんな微妙なお年頃でも、時に野田翁の言葉にうなずき、時に孫たちと一緒に「へー!」となり、近頃とんとお目にかからなくなったモノや意外としぶとく残っているモノへの認識を新たにさせられる、大変面白い読み物でありました。

「文房具」の章が大好き。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2012年6月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年6月30日

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