スターリングラード 運命の攻囲戦 1942-1943 (朝日文庫)

  • 朝日新聞社 (2005年7月15日発売)
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感想 : 18
3

分厚いなぁと思ったけれど
逆に起こった出来事の量からしたら駆け足でおさらいしている感じだろうか
一気読みではなく 国語の授業のように 一章ずつじっくり読み込んだら 事の恐ろしさをまだ一部しか理解していないことに気づきそうだが
コロナ禍で気分が落ち込んでいる今 なかなか辛いテーマの本である
 
コロナ禍で自分に都合の良いマスコミ情報に飛びついてしまったり またはそんな情報を見つねるまで検索してしまっている今
戦時下の楽観的ともとれる上の命令に従う気持ちも分からなくもないなぁと思った
何より情報規制もされているだろうし どちらの国もここまで長期化するとは思ってなかったのだろう
(第一次世界大戦のイギリス・ドイツでも同じ見解であった 一回目の戦争を知っている人は二回目の戦争をどう思ったのだろう?)

捕虜になった悲惨さと(生き残っても帰国できたのは10年後とか)
病院に搬送されても治療は受けられなかったり
病気が蔓延して 食料不足の中の戦いと
何より寒さによる戦場の厳しさ

無知で申し訳ないが スターリングラードが街なのだと驚いた
戦場の代名詞のようなイメージだったので

環境や上司や戦況による運も大きいが
果たしてそこで「自分」を保つことが出来るのだろうか
それとも戦争が無ければ知り得なかった「戦争下での自分」が現れるのだろうか
生き残った時 その記憶とどう向き合うのだろうか

ふと ロシアといえば芸術面が有名だけれど 戦後どうやってまた一流を取り戻したのだろうかと 戦死者の多さに疑問に思った

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年2月
感想投稿日 : 2022年2月13日
読了日 : 2022年2月13日
本棚登録日 : 2022年2月13日

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