百花

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年5月15日発売)
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本棚登録 : 1683
感想 : 162
3

川村元気という人をあまり知らない。
「億男」からの2冊目
題名と、本の美しさに惹かれて
借りたもののなかなか読む気にならなかった。

本にはいつも白紙で向き合う〜
読後中村元気の肩書に驚き

映画監督、脚本家、絵本作家
はたまた題名を知っている作品多々。

アルツハイマー
最近このテーマが多くない?
葛西百合子「母」
葛西泉「息子」
だんだん母が若くして認知症になる

認知になる症状のリアルさに
恐ろしく、悲しかった。

泉の好きな味噌汁を作ってるよと
そこには鍋の中には広告だとか紙がちぎられ
お味噌汁の具になっていた。

これだけではなく、
ネタバレになるので書けないが
シングルマザーで誰にも頼らず
ピアノ教師をしながら生きてきた百合子に起こったことがあるー
このことを自分は許せなかった、

息子の泉が許して生きてることをーどうしても
許せない。自分の潔癖性、真っ直ぐすぎる
融通のつかないところ。
本を通して自分の狭さに「なんだろう〜」と傷ついた。

作品はよくできてる
さすが変化に、テーマに
泉自身が親になることへの戸惑い。

しかし、器用に作られてる
うますぎることにもう一つ信用できない?
他の作品をまだまだ読めばわかるのだろうか
出来過ぎ感が否めない。
器用にこなしてる。
映画やテレビにすればおそらくヒットするだろう〜
この不信感はなんだろう〜
いつか
この思いに詫びる時があるのかないのか?

本文よりー
医者が言うには
もともと50年も生きることができなかった人間が
長生きするようになって
ガン患者が出てきた
ガンが治せるようになりさらに長生きできるようになったら
アルツハイマーが増えた、どこまでいっても、人間はなにかと戦わなくてはならないんです。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月22日
読了日 : 2020年7月22日
本棚登録日 : 2020年5月28日

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