曾根崎心中

  • リトル・モア (2011年12月22日発売)
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感想 : 222
5

たぶん2021年まだ始まったばかりだが
20冊くらいしか読んでないが、
自分の中で記憶になる
一番の作品だとおもう。

もちろん近松浄瑠璃、チラチラ見聞きし、歌舞伎でも、演目をわざわざ観たかもしれないし、大体のことはわかる。絵も浮かぶ

しかし、しかし角田光代先生「ここはあえて」にかかるとこうなる。もちろん大好きな作家、

一言で言えば手代が新地の女に入れあげ
恩ある人に不義理をして事を起こし「?」挙げ句の果ては心中するみたいな話。
別に今世の中で起こっているのなら、哀れとはおもうけど肯定はしない。

しかししかしー
一気に読んでしまった。
はじめから終わりまで泣くというより涙が自然と出てくる
哀れで因果で。、業が深くて、言葉にすれば皆違う
陳腐で、
こんな時自分の語彙の貧困に居た堪れない。

近松天才。
もう角田光代ー天才。
近松作品を現代によみがえらせた。
絶対角田源氏を読む。
美しい、綺麗な音楽「なんでもいい、管弦楽、ピアノ協奏曲、宮本浩次、ヒゲダン、笑、まあ個人的主観はさておいて

遣り手
身揚り
間夫
紋日
棒手振り
禿など注釈がついているのは、薄織の身にはありがたかった。

本文より〜
さみしいつらいと思ったことはなかった。
さみしくないときもつらくないときもなかったから。
さみしいと思う人は、つらいと思う人はしあわせなんだと、だから思う。つらくないときを知っているってことなんだから

わてはな、初。お前に会うて、知ってしもうたんや。さみしいとゆうことも、つらいゆうことも。それからこわいゆうことも。
と徳兵衛は泣く。
徳兵衛と初哀れ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月18日
読了日 : 2021年2月18日
本棚登録日 : 2021年2月2日

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