欲望の資本主義3: 偽りの個人主義を越えて

  • 東洋経済新報社 (2019年6月28日発売)
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今の資本主義がいい意味で機能していないという方に結論が傾いているだろう。そして、今の資本主義というシステムが、これからも同じように存在し続けることもない。今ままではなく、変化したシステムになる。なる必要があると。
例えば、GAFAは市場を独占的に覆い尽くしている。これから何年もGAFAによって、「新たな(イノベーションの)芽が摘まれてしまう」「市場による自由な競争が成立しない」状況や影響力を持ってしまうことにになれば、政府から規制をかけなければならない。しかし、ビッグデータ、AI、ブロックチェーン、などのテクノロジーは世界を救済する手段にも、脅威をもたらすものにもなり得るなかで、歴史は浅く、どう規制をかけるべきか、正解も最適解も導くことが難しい状況なのは確かである。

経済学だけでなく、社会学、心理学、生物学、法学、歴史など、さまざまな分野の知恵を結集し、今は資本主義の行く末を考え、再構築しなければならない段階に来ている。
この状況は、哲学者や経済学者だけが問題意識を持つものではない。一般消費者としても、ビジネスパーソンとしてでもある私たちも、これからが変わり続ける世の中で生きていくために、本当の個人主義を理解して、考えていこう。

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感想投稿日 : 2021年1月8日
読了日 : 2021年1月8日
本棚登録日 : 2020年12月9日

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