社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた――マッキンゼーでは気づけなかった世界を動かすビジネスモデル「Winの累乗」

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  • ダイヤモンド社 (2012年10月19日発売)
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感想 : 57
5

2012年73冊目。

NPOであれ、一般企業であれ、「社会をよくしながら利益をあげる」手法が書かれた一冊。
その秘訣は、「Win-Win」に留まらない「Winの累乗」にあると著者は言う。

本書の優れた点は、上記の手法を以下の2点をおさえて分かりやすく説明している点にあると思う。

【1】Winをもたらすべく“5C”のフレームワーク
■Company(自社の従業員・一緒に働く仲間)
■Customer(消費者・顧客)
■Cooperator(提携・協業者)
■Contributor(出資者)
■Community(一般社会・進出先の国や地域)

【2】上記フレームワークに則り、豊富に引用された優れた&有名なNPOや企業の事例
■「Teach For America」がCompanyにもたらすWin
■「ふんばろう東日本支援プロジェクト」がCustomerにもたらすWin
■「マイクロソフト」がCommunityにもたらすWin
■「Acumen Fund」がContributorにもたらすWin
■「クロスフィールズ」がCooperatorにもたらすWin
・・・など

前著の『「20円で世界をつなぐ仕事(日本能率協会マネジメントセンター)』においても“5P”のフレームワークを使った解説が評判だったが、
あくまで「TABLE FOR TWOにおける5P」という色合いが強かった印象がある。
それに比べ本書は、「TFTの枠を越えた業界全体への応用」を視野に入れて書かれた印象が強いため、
TFTに携わる者でなくてもより参考になると感じる。

「ソーシャルビジネス」「社会起業」「社内起業」「CSR」・・・
有名どころの事例が豊富に含まれた本書は、上記のどのカテゴリーに関心を持つ人にとっても、スタンダードな知識を身に付けるのに適しているため、心からお勧めです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ソーシャルビジネス
感想投稿日 : 2012年10月19日
読了日 : 2012年10月19日
本棚登録日 : 2012年10月17日

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