邪馬台国と倭国: 古代日本と東アジア (歴史文化セレクション)

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  • 吉川弘文館 (2011年9月6日発売)
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感想 : 1
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邪馬台国の話かと思って読んだが、主に東アジアの話になっていたので、ちょっと肩透かしにあった気分。

邪馬台国は卑弥呼の治める都であって、国は倭国だったという指摘は、ちょっと衝撃的。

「東アジア世界」が成立するためには中華(華夷)思想と王道思想(礼のある中華は秩序ある世界であり、礼のない夷狄
に礼を及ぼすのが王の徳である)が必要だったということは知っていたが、
始皇帝が行った、皇帝が中央から派遣した官吏によって統治する郡県制は、周辺王国の存在を認めないことになり、
中国を統一したにも関わらず「東アジア世界」を実現する論理・思想を失ったという観点はなかった。

しかし、最も記憶に残ったのは、中国で印刷された本や中国の本を写した本が天下の孤本として日本にあるということ。
流れ着いた文化のうちお気に入りをひっそりととっておく、いかにも日本らしい話。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 興味
感想投稿日 : 2016年6月10日
読了日 : 2016年6月7日
本棚登録日 : 2016年6月6日

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