鳥肌が

著者 :
  • PHP研究所 (2016年7月14日発売)
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本棚登録 : 700
感想 : 100

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小さな子供と大きな犬が遊んでいるのを見るのがこわい。自分以外の全員は実は……という状況がこわい。「よそんち」の不思議なルールがこわい。赤ちゃんを手渡されると、何をするかわからない自分がこわい……。
日常の中でふと覚える違和感、現実の中に時折そっと顔を覗かせる「ズレ」、隣にいる人のちょっと笑える言動。それをつきつめていくと、思わぬ答えが導き出されていく。こわいから惹かれる、こわいからつい見てしまう。ただ、その裏にあるものを知った時、もう今まで通りではいられない!?
ユーモア満載で可笑しいのに、笑った後でその可笑しさの意味に気がついたとき、ふと背筋が寒くなる。そんな42の瞬間を集めた、笑いと恐怖が紙一重で同居するエッセイ集。
カバーの触感、スピンなど、祖父江慎氏による、さらに「違和感」を増幅させる、一風変わった装丁にも注目!
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まず目を引かれる、というかあれっと思わされるのは、装丁の触感である。祖父江慎氏が手掛けたと知って、なるほど、と納得した。タイトルと見事に連動していて、ほかにも仕掛けがないかと思わず探してしまう。中身は、いつもの著者である。肯かされることも多々あり、それはちょっと極端に過ぎないか、と思わされることもあり、いつもながらになかなか興味深い。その人なりの引っ掛かりポイントが、必ずあるはずで、無意識にしていることが、もしかすると非常識なのでは?とぞくっと鳥肌が立ちそうにもなる一冊である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: は行の作家
感想投稿日 : 2016年8月5日
読了日 : 2016年8月5日
本棚登録日 : 2016年8月5日

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