読了。フードジャーナリストの著者が妻と2人の子供を連れて、北は北海道南は沖縄まで日本の色々な伝統的料理、モダンな料理等を食べ比べ、その背景にある精神まで徒然に思いを巡らせる食紀行。所々のエスプリが利いたジョークがいかにも英国人らしいw
鯨や麸等、著者にとって初めて食べるものも多く、外国人的にはその味や食感がどういうものか表層的に、というか具体的な舌のフィーリングをもって書かれているのがとても面白い。内容詰め込みすぎて、やや本人の日本や日本料理に対する持論が少なくレポばっかになっていたのは少し残念だった。
概ね満足で面白いエッセイではあったが、一点物凄く残念なことが。オリジナルの英語版目次を読んで分かったが、著者はいわゆるグルタミン酸調味料の日本食の近代化に関する功罪について、自分の前職の会社に乗り込んでインタビューしたらしいが、その章は日本語化された際に削除されていたという………
この内容は物凄く興味があるので、読む為だけに英語版を買うまである。せっかく好奇心を満たすような面白い本なんだから、無駄な手は加えずなるべく原著の楽しさをそのまま日本人にも伝わるようにするのが編集の仕事だろうに。必要以上の日本人の主観が入るのは本書の特性上ナンセンスだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年8月26日
- 読了日 : 2013年8月26日
- 本棚登録日 : 2013年8月26日
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