幸運の金袋と引き換えに自分の影を灰色服の男に譲ったシュレミール。シュレミールは、大金持ちになったにも拘わらず、世間に相手をされなくなり、不幸の道へ。それでも、シュレミールは、最後の最後、自分の居場所を見つけることとなる。メルヘンあり、大旅行記ありと変化に富んだお話で退屈せずに読むことができた。一歩歩けば七里を行くという七里靴というのも面白い。これを履いて世界を闊歩するあたり、19世紀の博物誌を読んでいるかのようだった。ところで、エンデのモモもそうだったが、灰色というのは不吉なサインなのかなとも思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2020年10月25日
- 読了日 : 2020年10月25日
- 本棚登録日 : 2020年10月24日
みんなの感想をみる