岸信介: 権勢の政治家 (岩波新書 新赤版 368)

著者 :
  • 岩波書店 (1995年1月20日発売)
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1995年、平成6年出版。昭和の妖怪とも呼ばれた岸信介の官僚、政治家としての足跡を、本人のインタビューも交えつつ辿っている。

個人的には『安倍三代』の読了後に、「では、安倍晋三のもう一系統の祖父は、どんな政治家だったのか?」が知りたくなって読んだ。岸の政治家としての実績や、政治観、哲学、信念を知る上で、読み応えのある一冊だった。特に日米安保改定の実現の前後のくだりは、現在の日本の政治にも通底する本質的な問題であるとも感じた。

優れた政治家で、若きからの俊才。満洲国に至るまでのキャリアにも表れているように、先見性にも優れていた。

だからこそ、岸が今の政局や政権をどう見るのか、やはり気になってしまう。孫を大変に寵愛したという彼だから、やはり晋三びいきのジャッジになるのだろうか。統制力のある強い国家を目指した彼にとって、その理想とは程遠く思えるのだが、どうだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年5月17日
読了日 : 2020年5月17日
本棚登録日 : 2020年1月6日

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