いやあ、寝かした寝かした。1997年に購入してから約15年、読み終わって「なんで今頃?」と思わず自問自答してしまう、まさに20世紀を終える時期に読むべき本だったなという感想を吐かざるをえない、そんな本でした。
といいつつ、
始まって長々と続く現実的、歴史的描写に、あれ?なんかちょっと違うなあと思い始めていたら、来たきた来たーー!50ページを超えたあたりから時空を捻じ曲げ飛び越えて、何が入れ子なのかどこがどこと繋がってるのかわからないまま、SF的でもあり観念的な文章(官能的でもあるけど)が続く箇所もあるれど、しかしながらすごく読みやすい。きちんと今いるところを理解してればちゃんと連れてってくれるところに連れて行ってくれる、そんな感じでどんどん読み進んでいけました。
最後に至って収束する件はさすがとしか言いようがなくって、そこかしこに見え隠れしていた死のイメージがオルフェウスのメタファーを伴って現れてきたのにはゾクゾクしました。寝かしてすまんかったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
米国
- 感想投稿日 : 2012年6月25日
- 読了日 : 2012年6月24日
- 本棚登録日 : 2012年6月15日
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