オレがマリオ

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年11月29日発売)
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先日新聞の書評欄で万葉学者の上野教授が評されていた文があまりにも印象的だったので、読んでみました。

若くして、その才能が認められた人は不幸である。しかも、それでいて美貌の人は、もっと不幸かもしれない。
なぜならば、人びとは、いつまでたってもデビュー作を想起するからだ。

うん。
本当にその通りだと思う。


万智さんの生き方を非難する人もいるとかいないとか・・・

だけど万智さんは詠む。

子を連れて 西へ西へと逃げてゆく
   愚かな母と言うならば言え

子を守る  小さき虫の親あれば
  今の私はこれだと思う

......................................................

この歌集には
『チョコレート革命』の時のような
過激な歌はない。

焼き肉とグラタンが好きという少女よ
私はあなたのお父さんが好きよ


だもん・・・!
怖いわーー!!

だけど
お忍びの恋愛中の女性にとっては
憧れや共感されたりしたんだろうな。

そして
今の万智さんはお母さん。
お父さん役も。

抱っことは抱き合うことか子の肩に
  顔うずめる子の匂いかぐとき

無垢無邪気無心無防備笑顔とは
無から生まれるものと思えり

ゆきずりの人に貰いしゆでたまご
子よ忘れるなそのゆでたまご



......................................................

万智さん、頑張ってる。
強いな。

恋愛をして
誰かを愛したり泣いたり

出産して
子どもを愛でて守り抜く

きっとこの先にも
万智さんの人生は続いていく。

若い時に認められたからこそ
色々な聞きたくない声を
聞いてしまったかもしれない。

だけど
若い時からの万智さんの声が
残っているからこそ
恋愛中の女性の声として
子育て中の母の声として
共感出来るファンは多いはず。

そして
これから万智さんの人生が
進めば進む度に
また共感出来るファン層も
増えるんだろうな。と
同じく女性として応援しつつ
期待しています。

きっといつの日にかは
マリオくんとピーチ姫の物語なんて♪
楽しみです!


オレが今マリオなんだよ島に来て
子はゲーム機に触れなくなりぬ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年5月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年5月1日

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