本のタイトルこそ「重力とは何か」となっていますが、そこにいたるまでに必要な電磁気学、量子力学、相対性理論も語られれ、最終的には超弦理論にまで行き着きます。
本書の内容自体レベルが非常に高いですが、物理をやっていない人でもわかるような例えを使って非常にわかりやすく説明していると思います。このレベルの内容をここまで一般人にわかりやすく書いている本を私は知りません。
特殊相対性理論から一般相対性理論まで、アインシュタインがどのようにしてこの理論を構築したかがコンパクトにまとまっていて、相対論に興味がある人にもおすすめ。アインシュタインとヒルベルトが相対性理論の式の発表で競っていたというのは知りませんでした。
最新のホログラフィック原理についても書かれていますが、分量は少ないので、気になる方はレオナルド・サスキンドの『ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い』を読むと理解が深まります(ただし、こちらは少し難しい)。
本書を読んで、現代の物理学ではわかっていないことだらけで、まだまだ人類が挑戦する余地は十分にあると感じました。日本の中学生や高校生がこの本を読んで、答えを出してくれることを期待したいです。
大栗先生の他の著書も読んでみようと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
物理学
- 感想投稿日 : 2019年1月22日
- 読了日 : 2019年1月22日
- 本棚登録日 : 2019年1月20日
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