マジックリアリズム小説の正統的な継承作家と見える莫言。初読でしたが、現代中国という部隊がこれほど魔術世界のはまる舞台とは思わなかった。酒国という架空世界を舞台に行われる犯罪捜査。検事を襲うあらゆる魔的な「酒」。ラウリーの『火山の下』のようにすべては酩酊状態の中で彷徨しながら、カフカ『城』のように何事も起こらない。
ところで知識がないため、一党独裁体制の中でなかば公的に認知されたなかで著述される「中国の闇」というものについて、どう測ればよいのか?考えなければならない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
アジア・オセアニア文学
- 感想投稿日 : 2014年1月24日
- 読了日 : 2012年8月14日
- 本棚登録日 : 2014年1月24日
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