故郷カタルーニャを追われ国外に暮らすこと40年。
そういう半生を背負った著者が、母国カタルーニャ語で書いた小説。自身が亡命生活を送ることになった「内戦」を舞台に書いた小説でありながら、書かれ方はいたって冷静、理知的である。そのことが、言い知れぬ迫力を齎していると感じる。
丁寧で、緻密で、ほどよく謎めいている部分も配しており、”文芸”としてそうそう巡り合うことはない水準の一冊だと思う。
ひとりの女性の生涯を、生々しく、滋味深く描くことにおいて、こちらも滅多にはお目にかかれないレベルで、そりゃあ三十以上の言語に翻訳されるでしょう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
欧州・加州文学
- 感想投稿日 : 2022年12月19日
- 読了日 : 2022年12月18日
- 本棚登録日 : 2022年12月11日
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