世界のありとあらゆる著作が『』付きで登場し、また数多の西洋美術も『』付きで散りばめられ、そしてだめ押しの『』聖書引用。これらはペダンティックに使われているわけではなく、シュールリアリズム上の「具」として撒かれているのだけれども、個人的には味わいを楽しむところまで至らなかった。
地下の孤独な作業場に、延々と文字入りの紙類が雪崩のように捨てられてゆくイメージは面白い。番人である主人公が、捨てるべき文字と残すべき文字を選別し続けている、という世界観が秀逸。
チェコという国について「十五世代に渡って読み書きのできる民族」という説明がされており、心に留まった。チェコ文学を解するためのキーワードのような気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
欧州・加州文学
- 感想投稿日 : 2020年3月29日
- 読了日 : 2020年3月29日
- 本棚登録日 : 2020年3月21日
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