あまりにも騒がしい孤独 (東欧の想像力 2)

  • 松籟社 (2007年12月14日発売)
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本棚登録 : 396
感想 : 37
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世界のありとあらゆる著作が『』付きで登場し、また数多の西洋美術も『』付きで散りばめられ、そしてだめ押しの『』聖書引用。これらはペダンティックに使われているわけではなく、シュールリアリズム上の「具」として撒かれているのだけれども、個人的には味わいを楽しむところまで至らなかった。

地下の孤独な作業場に、延々と文字入りの紙類が雪崩のように捨てられてゆくイメージは面白い。番人である主人公が、捨てるべき文字と残すべき文字を選別し続けている、という世界観が秀逸。

チェコという国について「十五世代に渡って読み書きのできる民族」という説明がされており、心に留まった。チェコ文学を解するためのキーワードのような気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 欧州・加州文学
感想投稿日 : 2020年3月29日
読了日 : 2020年3月29日
本棚登録日 : 2020年3月21日

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