死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々(1)(少年チャンピオン・コミックス・タップ! )

著者 :
  • 秋田書店 (2014年12月10日発売)
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本棚登録 : 588
感想 : 48
3

思春期の自意識が過剰に肥大し炸裂するエピソードを描いた
オムニバス短編シリーズ。
面白いが帯の煽り文句「心がざわつく」は承服しかねる。
私の理解と共感の範囲にストンと落ちる物語ではあるけれど、
決してザワザワしない……それはもう、
ジェネレーションギャップと言うしかないのか。
遠い昔、そんな年頃だった私や親しかった友人たちは
話しても通じないフラストレーションを
小説(らしきもの)や絵を描くことで発散していたから、
「殺す」だの「リセット」だのって発想に結び付かなかった。
だから今も普通に生きているし
日々考え手を動かし何かを作り続けている。
苦悩の十代なんて一瞬だ、永遠ではない。
だが、血反吐を吐くほど悶え苦しんだ経験は無駄にならない。
……無駄ではなかったと思える大人に仕上がれば、の話だが。
それにしても、こうしたテーマ・作風が人口に膾炙する時代、
山田花子女史のあまりに早過ぎた死が悼まれてならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  《あ》~《お》
感想投稿日 : 2014年12月12日
読了日 : 2014年12月12日
本棚登録日 : 2014年12月12日

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