ふらんす怪談 (河出文庫 518A)

  • 河出書房新社 (1987年10月1日発売)
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感想 : 5
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革命を逃れてロシアからフランスへ移った伝記作家の
短編小説集、全7編、翻訳は澁澤龍彦。

怪談には、不条理かつ尻切れトンボで、
割り切れない不気味な余韻を残す話と、
因果関係が意外に明瞭で「なるほどね」と
思わされるものがある気がするけれども、
この本に収録された作品は後者のタイプで、
奇妙な面白さはあるが、ゾッとする恐怖譚ではない。
ブラックユーモア系の一冊。

「殺人妄想」
 妻を寝取った男に復讐しようと目論んだ夫。

「自転車の怪」
 二人乗り用自転車で
 睦まじくサイクリングに興じていた夫婦だったが……。

「幽霊の死」
 幽霊研究の泰斗が《幽霊狩り協会》会長職を辞した
 理由は……。

「むじな」
 騎馬隊の男たちが厩舎で雑談、
 電話機製作会社勤務時代の話をするサリヴェ。
 彼が依頼された風変わりな仕事とは。

「黒衣の老婦人」
 死を呼ぶババア(笑)

「死亡統計学者」
 地方紙で連載が始まった死亡統計のコーナーに、
 いつしか集計結果のみならず
 執筆者による予想まで掲載されるようになり……。

「恋のカメレオン」
 マッドサイエンティストの実験台にされた
 元・自殺志願者たち。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  フランス語文学
感想投稿日 : 2017年11月16日
読了日 : 2017年11月15日
本棚登録日 : 2017年11月10日

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