革命を逃れてロシアからフランスへ移った伝記作家の
短編小説集、全7編、翻訳は澁澤龍彦。
怪談には、不条理かつ尻切れトンボで、
割り切れない不気味な余韻を残す話と、
因果関係が意外に明瞭で「なるほどね」と
思わされるものがある気がするけれども、
この本に収録された作品は後者のタイプで、
奇妙な面白さはあるが、ゾッとする恐怖譚ではない。
ブラックユーモア系の一冊。
「殺人妄想」
妻を寝取った男に復讐しようと目論んだ夫。
「自転車の怪」
二人乗り用自転車で
睦まじくサイクリングに興じていた夫婦だったが……。
「幽霊の死」
幽霊研究の泰斗が《幽霊狩り協会》会長職を辞した
理由は……。
「むじな」
騎馬隊の男たちが厩舎で雑談、
電話機製作会社勤務時代の話をするサリヴェ。
彼が依頼された風変わりな仕事とは。
「黒衣の老婦人」
死を呼ぶババア(笑)
「死亡統計学者」
地方紙で連載が始まった死亡統計のコーナーに、
いつしか集計結果のみならず
執筆者による予想まで掲載されるようになり……。
「恋のカメレオン」
マッドサイエンティストの実験台にされた
元・自殺志願者たち。
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
フランス語文学
- 感想投稿日 : 2017年11月16日
- 読了日 : 2017年11月15日
- 本棚登録日 : 2017年11月10日
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