かねてから気になっていたフランシス・ハーディング初読。
コスタ賞児童書部門及び全部門最優秀作品受賞、ガーディアン賞、カーネギー賞最終候補。
児童文学作品だったのね。
しかし『自由研究には向かない殺人』だったり、本書だったり英国というのは”児童文学”という枠が広いこと。
日本のいわゆる児童書コーナーにこんなの並んでたら”え!?”って思うけど、確かに中高生くらいになると、あのコーナーではちょっと幼い気もするし。
その中間くらいの棚、ラインナップがあるのでしょうかね。
さて、本書は『種の起源』が発刊直後の英国を背景にした、考古学者エラスムス・サンダリーがスキャンダルから逃れるかのように越してきたヴェイン島で繰り広げられる、彼の不審死と彼の残した謎の植物”嘘の木”にまつわる冒険ファンタジー。
主人公はエラスムスの娘フェイス。
正直、”嘘の木”が出てくるまでが長い。
もったいぶり過ぎ。
”嘘の木”登場後はフェイスの動きも躍動感を増し、エラスムスの不審死の真相究明、”嘘”の本質やそれがもたらす害悪への示唆、宗教学や女性の社会進出前夜といった時代背景がいい具合に相まってぐいぐい進む。
”嘘の木”のファンタジー要素を十分に活用しきった良き冒険ミステリ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリ
- 感想投稿日 : 2022年11月26日
- 読了日 : 2022年11月23日
- 本棚登録日 : 2022年11月26日
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コメント 2件
しずくさんのコメント
2022/12/17
fukayanegiさんのコメント
2022/12/17