いやぁ、やはりいい。
この人面白い。
もちろん誇張や脚色はあるのだろうが、空気が読めず周囲に溶け込めない、かと思えば溶け込み過ぎてそこに居ることに気付かれないという、自分のコンプレックス、妄想癖をネタにした、にやにや笑いが止まらないエッセイの連続。
翻訳家ゆえの語彙力なのだろうか、ただでさえ奇抜な場面、展開をこれでもかというほど誇大な言葉で修飾するから、ばかばかしさは最高。
『ねにもつタイプ』に続き図書館で借りた著者の作品だが、こうなってくると手元に置いておきたい気持ちすら湧いてくる。
本書は後半、著者の本業の方の話題もあり、そちらも興味深々。
本書を読む前から、以前から気になっていた『掃除婦のための手引き書』がこの著者の訳であることを知ったとき、近く読んでみようと思っていた。
加えて、本書で紹介された”ニコルソン・ベイカー”の『中二階』は、エスカレーターを昇っていく途中の考察だけで一冊が出来上がっているという、まさに岸本ワールドに通ずる世界観。
嬉しきかな、どっちも行きつけの図書館にあるぞ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2022年3月13日
- 読了日 : 2022年3月10日
- 本棚登録日 : 2022年3月13日
みんなの感想をみる