営繕かるかや怪異譚

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年12月1日発売)
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何度閉じても開く襖、屋根裏を這い回る跫音、雨の日に現れる喪服の女、扉を開けるといる老人、井戸から出てくる生臭いモノ、ガレージに現れる子供。

様々な怪異現象を解決する『営繕かるかや』の尾端。
彼自体は霊能者でも見える人でもない。まれにお寺の僧侶を連れてくることはあるものの、解決方法はあくまでも家の修繕。

怪異という不可思議なものと、物理的な解決法という相反するものが面白い。
喪服の女と井戸の話はゾッとしたし、ガレージの話は辛かった。
全体に通して言えることは昔の人がやったことには一見迷信や意味のないことのないように見えて、ちゃんと意味があることが多いということ。
昔から井戸や大木を触るときはお祓いをするように、古いものを動かす、あるいは廃棄するときは慎重にということだろうか。

文体が淡々としているし、解決後はサラッと書かれているので物足りなさはあるが、尾端のテキパキしているようで気配りもある話し方も良く安心出来る。
最近続編が出たようなので、尾端の更なる一端が見られると嬉しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドラマ ファンタジー
感想投稿日 : 2019年8月19日
読了日 : 2019年8月19日
本棚登録日 : 2019年8月19日

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