歌川国芳の周囲で起こる様々な事件とその顛末を軽快に描いてあった。
下手なのに国芳に絵を習いに来る老人、金魚を偏愛する男、北斎の娘・応為に振り回される日々、病を抱える妻に義母に自分自身に猫、幽霊が出てきたり、歌川広重との冷戦があったり、最後は自分の偽者まで現れたり。
国芳が大好きな猫は常に八匹置いておくと決めているらしいが、一匹亡くなったと思ったらどこからかまた新しい猫がやってくるのも面白いし、弟子たちも増えたり減ったり。
人の死や殺人も起こるが、陰惨ではないので楽しく読めた。
出来れば作中に登場する作品を掲載して欲しかったかな。
自分で検索して眺めながら読んだ。
五十代半ばの国芳が描かれているので、自分や家族の健康や老いらくの恋、自分の作品がどう残っていくのかを考える様子など、興味深い部分も多い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代・歴史小説 絵師・絵
- 感想投稿日 : 2017年10月20日
- 読了日 : 2017年10月20日
- 本棚登録日 : 2017年10月20日
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