焼跡の二十面相

著者 :
  • 光文社 (2019年4月17日発売)
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本棚登録 : 99
感想 : 17
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少年探偵団シリーズのパスティーシュ作品。最近この手の作品が多いが、小学生の頃にのめり込んでいた世代としては懐かしい限り。

タイトル通り終戦直後を舞台に、戦地から戻ってこない明智探偵を待ちながら活躍する小林少年探偵と二十面相との戦い(というか共闘と言った方が良いかも)を描く。

いきなりの捕物あり、不可思議な殺人あり、宝探しあり、もちろん二十面相お得意の変装もありと、少年探偵団シリーズの要素がふんだんに盛り込まれている。
最後には「黄金仮面」の壮大なオチまで用意されていて、辻さんの遊び心に感心した。

しかし全体的にはあの乱歩先生の、少年ものでありながら何とも言えない怪しく泥臭い感じは薄く、むしろスタイリッシュで大人っぽい。
そういった意味では少年モノというよりは大人向けかも知れない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス・ハードボイルド・探偵
感想投稿日 : 2019年7月20日
読了日 : 2019年7月19日
本棚登録日 : 2019年7月20日

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