穢れた風 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2017年10月21日発売)
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本棚登録 : 160
感想 : 27
3

オリヴァー&ピアシリーズ第五作。
オリヴァー&ピアのシリーズなのに、ここ数冊、どんどんオリヴァーが壊れていってダメ男になっていっていて、刑事としてすら使えない人間になっていっていて実に残念。
正直読んでいて痛々しくてオリヴァーのシーンは見ていられなかった。
その分、ピアの頑張りはますます必要で、彼女の方も折角得た新しいパートナーとの関係が危うくなってきていて、こちらも別の意味で心配。なのに、オリヴァーは勿論のこと、他のチームメンバーたちもプライベート優先で、ピアのプライベートは誰も心配しないの?と彼女本人ではないが、そう言いたくもなる。

事件の方は風力発電建設に絡んだ様々な汚職や陰謀が錯綜する。出てくる人物みんながみんな、自分のことしか考えていなくて、こちらも正直読んでいて厭になってきてしまった。
環境問題など本気で考え取り組んでいる人間は誰一人としていないのか?と思えるほど。しかしこういうことはドイツに限らずどの国でもあるのだろう。
唯一、マイクが大人たちのエゴに巻き込まれて可哀相だったが、逆に言えば彼もまた流されやすいのが弱点。もっと自分を強く持って欲しかった。

最後の最後にオリヴァーから爆弾発言が。オリヴァー&ピアシリーズなのに(敢えてもう一度書く)どうなるの?
しかし本国では第八作まで出ているそうだから、収まるところに収まるのか。
ただこの調子のオリヴァーだとどうもシリーズ自体に興味が薄れていく。元の愚直なまでに仕事熱心なオリヴァーに戻ってほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察・刑事
感想投稿日 : 2018年1月27日
読了日 : 2018年1月27日
本棚登録日 : 2017年10月21日

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