まずタイトルからして刺さった。学部4年で研究が本格化したあたりからやや人生に違和感があったのだが、その原因をタイトルが指摘している。そもそも答えのないゲームを楽しむマインドを持てていなかった。
社会人になったら、答えのあるゲームはほぼ存在しない。しかし僕は仕事の課題について一通り考えた後、上司に「これでいいですか?」と確認している。これは答えのあるゲーム思考から抜けきっていない証左である。「ファクトしか言わない人間はポンコツ、選択肢を一つしか出さない人間もポンコツ」
この本は、そのような答えのないゲームの戦い方を解説してくれている。
この本も、筆者にとってみれば「読者に戦い方を伝えるにはどうすればいいか?」という答えのないゲームであるわけで、読了すると筆者が解説している戦い方が本の構成にも組み込まれている。その巧みさに舌を巻く。
エンジニア的な感想を残すと、本書後半で解説されている「ゲーム&ゲームの戦い方」が非常に参考になった。
ゲームに関する断片的な情報からゲームのルールを予想するというものだが、これはまさに実験結果から全体を貫く法則を見出し、それを踏まえて製品の性能向上を目指すエンジニアの仕事に直接通ずる。この戦い方を「暗記ドリブン」で自分の仕事にも生かしていきたいと思う。
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- 感想投稿日 : 2024年2月3日
- 読了日 : 2024年2月2日
- 本棚登録日 : 2024年2月3日
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