警察小説や新聞記者物が多い横山秀夫の、予想外の戦争の話。終戦記念日の近いこの時期にたまたま手にしたことに、本当にその時代に生きていた、誰かの意思があるように感じた。魚雷の特攻隊、回天の搭乗員に選ばれた若者と、彼を取り巻く、戦時中に青春を生きた学生たちの物語。時代に翻弄され、生と死と常に向かい合いながらも、一生懸命に生きた先人たちに思いを馳せた。そんな時代であっても、野球をしたり恋をしたり勉強をしたり音楽を聴いたり、普通の若者の当たり前の生活があったことに改めて気づかされた。回天という魚雷の存在を恥ずかしながら初めて知った。綿密な取材を経て実在の誰かを題材にしているのかと思われる内容だった。戦争の話をいつもしていた祖父を思い出した。
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- 感想投稿日 : 2017年8月9日
- 読了日 : 2017年8月9日
- 本棚登録日 : 2017年7月18日
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