小説のように読んだ建築専門書
藤村龍至「批判的工学主義の建築」 私は建築家の本を基本的に読まずに来た。それは、それらの多くが非常に主観的で、情緒的で、気取っていて、それなのに非論理的で説得力に欠ける文章が並んでいたからだ。私の学生の頃、40年前は特にひどかったように思う。ところがこの本を読んで認識が変わった。
とても良い。論理的である。歴史認識がしっかりしている。具体的である。勉強になる。
「単純な工学主義の建築」と「反工学主義の建築」を止揚して、「批判的工学主義の建築」を提唱している。設計モデルにおける「漸進的進化」と「飛躍的進化」を止揚した「超線形設計プロセス論」すなわち、正反合の弁証法である。弁証法的建築論と呼ぼうと思う。
IKEAとamazonとコンビニを「検索可能性」と「遭遇可能性」で分析している。ついでにgoogleとSNSも「検索可能性」と「遭遇可能性」で分析している。これは驚くほど説得力がある。目からうろこである。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年2月1日
- 読了日 : 2015年2月1日
- 本棚登録日 : 2015年2月1日
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