リア王 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1967年11月28日発売)
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分配される領土のことだけを考え、得るものを得たら父リアを見捨てる上の二姉妹、父を尊敬するがゆえに自分の正直な気持ちを言ったばかりに父から激怒され勘当までされたのに最後まで見捨てなかった末娘。

人ってバカというか、大事に思ってくれる人の気持ちは見えなくて、見えるのは自分の承認欲求を満たしてくれるものだけ。って、リア本人だけでなく、大事に思っていた末娘や忠臣や、周りの人にも救いがない。

で、リアは何者だったのだろう。一番大事な人をないがしろにして、口が上手いやつを高く評価し、ほんとうに助けてくれる人がしていることには気づかず、自分の悲劇しか考えない。いまの社会もほぼ同じことが起こっていると思うんだけど、それが400年以上前に書かれているというのは、やっぱりシェイクスピアが天才なのか、人間が変わってないのか、現実見せつけられ感が痛すぎる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年12月12日
読了日 : 2023年12月12日
本棚登録日 : 2023年12月12日

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