言葉は少ないのに、自然と情景が流れていくような、ずっと読んでいたくなる文章。フラットで等身大で、まるで友人の日記を読ませてもらっているかのような感覚になる。(こんな文章の上手な友人はそうそういないだろうけど。)
本の一節にこんなシーンがある。部屋の鴨居にTシャツをかけたハンガーを3つ吊るし、その下を通る。何気ない誰もが見たことのあるなんの変哲もない日常を、著者の目には、『3人が揺れて笑っている』ように見えている。誰もが見ている世界を、ほんの少しの語句と感性の差で薄くきらきらしたフィルターがかかったような世界に変えてしまう、そんな魅力がここには詰まっている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月27日
- 読了日 : 2023年7月27日
- 本棚登録日 : 2023年7月27日
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