葬式は必要! (双葉新書 4)

著者 :
  • 双葉社 (2010年4月20日発売)
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感想 : 13
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島田裕巳「葬式は、要らない」のアンサー本なんですが。

上記の島田氏の主張内容のカウンターとしては、かなり力不足ですね。
当然、日本で一番有名な宗教学者の島田氏のフィールドワークの力と論文構成力はハンパではないので。

こちらの本は玄侑宗久やドラッカー・孔子まで引用してるのですが、活字ポイントの大きさに比して、引用部分が多く、あなたのオリジナルが少なすぎません?と言いたくなる。

引用(理論)を積み上げていって、最後は、え、感情論でまとめる!?(;・∀・)みたいなのが繰り返されてます。


葬式が必要というのはわかったのですが、主張からすると、必要なのは告別式ということではないのでしょうか。
以下の二点を明確にしないと、話しが進まないと思います。

1.宗教儀礼としての葬儀、
2.社会性としての告別式

必要な理由として主に挙げられているのは「2」の方であり、これは島田氏も否定しいないし、心配しなくてもなくなることはないと思います。
持論はありますが、この場では割愛します。

あと、気になったのは、人生最後のセレモニーとしての葬式という言い方。

本人がゲームオーバーなのに、最後じゃないでしょう。もう、終わってますよ。

この点をどう思うんでしょうか。
つまり、著者の宗教観が記されていないということです。

映画「おくりびと」を絶賛しています。

私も「映画館」で観ています。

いい映画でしたね。著者と価値観を共有することはできますが、さりとて本書にはまったく説得力は感じませんでした。

※現役の葬儀会社の経営者なんですから、そりゃ葬式は不要とはいえないと思います。単純に。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教・宗教学
感想投稿日 : 2011年6月9日
読了日 : 2011年6月9日
本棚登録日 : 2011年5月15日

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