道綱母、清少納言、紫式部、和泉式部、孝標女の経歴と作品が、「川村節」で紹介されていく。
既刊の「平安女子の楽しい!生活」などの路線で、親しみやすく、読みやすい。
『蜻蛉日記』について、「ネガティブモード」で貫徹したすごさを指摘していた。
また、『更級日記』に出てくる宮仕えへの夢を、物語への夢、物語作家としての自己アピールとして読み解いた。
この辺りは、そういう見方をこれまでしたことがなかったので、新鮮だった。
川村さんの説なのかもしれない。
よく取り上げられる作者たちだけれど、こんな話があったんだ、という発見もあった。
まず道綱母(本文では「道綱ママ」)。
養女を時姫所産の詮子とともに裳着させたという話は、今まで読み飛ばしていたところ。
孝標女(本文中では「さらちゃん」)は、道綱母との親戚関係についてはよく話に聞いたことだったが、ここでは定子とのつながりが掘り起こされていた。
少女時代の孝標女(本文では「さらちゃん」)に親戚の命婦の衛門が贈ってくれた物語が、脩子内親王のお下がり品だったこと、そして彼女が後に仕える祐子内親王は、一条天皇と定子のひ孫。
狭い貴族社会なんだから、同時代に生きていた人の間には何かしらのつながりはあるでしょうよ、と思う自分もいるけれど、やっぱりこういう話を聞くと、おっ、と思ってしまう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月18日
- 読了日 : 2024年2月17日
- 本棚登録日 : 2024年2月18日
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