ニッポンの数字 ――「危機」と「希望」を考える (ちくまプリマー新書 448)

著者 :
  • 筑摩書房 (2024年2月8日発売)
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感想 : 7
3

少子高齢化の進む日本。
財政も厳しく、国際競争力の低下している。
それだけにとどまらない。
気候変動から激甚災害の多発化。
国際関係、安全保障も楽観視できない状況。
本書の前半はこんなことが、これでもか、とばかりに「数字」で語られる。
読んでいくのがつらくなる。

一方、後半部分では新しい技術のことが中心となる。
AIとロボットの発展。
将来的にはほとんどの領域にAIが導入され、今の仕事はなくなっていくだろうともいう。
空飛ぶクルマに、宇宙開発。
医療関係では、がん治療の進化が紹介されていた。
超音波による治療や、免疫細胞を強化する方法など、様々な方法での研究が進んでいる。
だが、認知症に関しては、まだ「治療」には至らないようだ。

著者は変化の兆候に気づくことと、備えることの大切さを説いて、本書を結んでいた。
明るい未来像は得られないかもしれないが…そういう現実を知っておくことが大切だと思うことにする。

最後に、本書の文体について。
話し言葉調に書かれているせいか、読点のつけ方がかなり独特で、最初気になって仕方がなかった。
「そこで得られる利益によって設ける国、に変わった」
「さまざまな要因が絡み合ったこと、だと見られています。」
少し慣れる必要あり。

それから文体ではなく、文の途中で段落が変わってしまっている箇所(p.236)があってびっくりした。
これは編集者さんが気づいてほしかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月28日
読了日 : 2024年4月28日
本棚登録日 : 2024年4月28日

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