歌に私は泣くだらう: 妻・河野裕子 闘病の十年

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  • 新潮社 (2012年7月20日発売)
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感想 : 22
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「あの胸が岬のように遠かった」を読んだのをきっかけに手に取った。

河野さんにとって歌を作ることが人生だったんだな〜としみじみ思う。抗がん剤の副作用がどんなに苦しくても、一つでも多く歌を残すためなら耐えますという強さ。だからこそ、最期の時が近づき医師からモルヒネを勧められても、夫である永田さんは歌が書けなくなるとそれを断った。
一見残酷な選択のようだけど、歌人としての河野裕子を最も深く知る夫だからこその選択だったのだろう。
そして生まれた素晴らしい最後の一首、

「手をのべてあなたとあなたに触れたきに
  息が足りないこの世の息が」

愛する人を残して死んでいく無念さが痛いほど胸に染みてくる。
もっと生きて、素晴らしい歌を作って欲しかったな〜。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年1月13日
読了日 : 2023年1月13日
本棚登録日 : 2023年1月13日

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