新約聖書の成り立ちについて、非常にわかりやすく整理されており、かつ慎重に論を進めているので大変オススメの本。聖書の本文批評や、原始キリスト教の雰囲気を知りたい人には格好の入門書だろう。研究者の中でも様々な議論がある中で、より確からしい、あるいは広範に支持を得ている考えは何かを知ることができる。最初に、イエスという人が実在したらしいということを確認するのから始まっているのも好感が持てる。
それにしてもある原始キリスト教関連の本を読んだ時、キリストの復活は疑いようのない事実だみたいなのがいきなり冒頭で出てきて仰天したことがある。ある聖職者が主著者だったが、学術的な書物を装いながらそういう非科学的な態度を取られると本当に参る。
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- 感想投稿日 : 2019年7月22日
- 読了日 : 2019年7月22日
- 本棚登録日 : 2019年7月22日
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