ビザンツ帝国(東ローマ帝国)は、中世ヨーロッパの牽引役でありながら高校世界史では西ヨーロッパ世界の脇役・引き立て役として扱われている感のある国家です。今現在、ヨーロッパといえばイギリスやフランス・ドイツなど“西ヨーロッパ”が牽引役ですから教科書もそれを反映しているのでしょう。いかに教科書が“現在というフィルター”にかけられているかの証左でもあります。それはさておき、ローマ帝国崩壊以降、ヨーロッパ唯一の大国でありローマ帝国の正統な継承者を自負し、繁栄と発展を謳歌したビザンツ帝国についての概説書になります。ただ、西ヨーロッパに比べて多様な民族構成をしている東ヨーロッパ世界ですから、読んでて多少の煩雑さはぬぐえません。それがまた東ヨーロッパ世界の分かりにくくさを助長しているのでしょうが、世界史図説をわきに添えて読むことをおすすめします。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
西洋史
- 感想投稿日 : 2008年12月30日
- 読了日 : 2008年12月30日
- 本棚登録日 : 2008年12月30日
みんなの感想をみる