"「好き」と「愛してる」の違いって?"
石田衣良をはじめ6人の男性作家が描く恋愛アンソロジー。祥伝社さんからは「I LOVE YOU」に続く第2集。
本多孝好さんの「DEAR」が個人的には一押し。
20歳の同窓会に集まった同級生3人。小学校6年生の時に同じ少女を好きになった。
親の仕事の関係で、3人以外には友だちを作ることができず、短期間でまた学校を去ることになった。3人は少女に告白したが、彼女はその答えを手紙に書いて池に投げ込んだ……8年後にその答えを言うよ、と。
8年後、彼女は同窓会に来なかった。そして彼女が選んだ仕事は……。
小学生と大人のそれぞれの思いが、綺麗に描かれた作品だと思います。
石田衣良さんの「リアルラブ?」はお互い届かない相手に恋をしたバイト先の同僚の一コマ。セックスフレンドだってところが石田衣良さんらしいと言えばらしいけど。
軽いタッチの描き方でアンソロジーの1編目としては最適。
中田永一さんの「なみうちぎわ」は、水難事故で5年間植物状態だった女性の元に、かつて自身が家庭教師として教えていた生徒が高校生になってやってくるお話。
少しずつ時間と男女の距離を縮めていく雰囲気が素敵な作品。
中村航さんの「ハミングライフ」は出会った野良猫を挟んで、手紙のやり取りを楽しむ二人の話。
こういうやり取りって良いよね。
真伏修三さんの「わかれ道」、山本幸久さんの「ネコ・ノ・デコ」の2作は個人的にはイマイチかなぁ。「わかれ道」はラストが印象的だけど古典的な恋愛小説にありがちな感じ。「ネコ・ノ・デコ」は恋愛小説なの、これという感じでちょっと作品集的には尻すぼみになっちゃいました。
- 感想投稿日 : 2013年10月27日
- 読了日 : 2013年10月22日
- 本棚登録日 : 2013年10月27日
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