資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年10月19日発売)
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感想 : 46
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お金持ちを大切にしない日本という国(というか、政治家、官僚、“中流”の人たち)への文句と、それに対処するために「資産フライト」をする富裕層の言い訳がいっぱい書いてある本。

(p.230より)-------------------------------------------------
「この国では幻想にせよ「1億総中流時代」があったのだから、ほぼ誰もが自分を中流の人間と思っている。
じつは、この中流であるということが、人間としてもっとも醜いことなのである。
<中略>
なぜ、中流が人間として醜いのだろうか?
それは、この層がもっとも激しく内部抗争をしているからだ。周囲と自分を比較し、少しでも上に行きたい、もっとお金がほしいと、嫉妬心を隠しながら、建前と本音を使い分けて生きている。日本の官僚はその典型だ。」
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「富裕層と下流層はリアリストで日本を純粋に愛している」んだそうですが……。

集団を大雑把にセグメントやレイヤーで切ってレッテルを貼るのは、やり方としてどうなんだろう。そんなに単純な話かな? 「日本をダメにしたのは団塊」というのと同じで、大まかな傾向としてそうだという話ならわかるけど、そのような単純化は危険じゃないんですか。

しかし、富裕層でも堤義明のようにあらゆる節税スキームを駆使して「納めるべき税金」を納めない連中を切って捨てているが、私たち“中流”から見ると資産フライトしているあなたたちも同じ穴の狢に見えるんですがね。

日本の経済の現況や見通し、これから生き抜いていくのに必要なこと(とくに英語)に関する認識は当たっていると思う。一読をおすすめする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 情報
感想投稿日 : 2012年4月27日
読了日 : 2012年4月27日
本棚登録日 : 2012年4月27日

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