先行著作の『近代秀歌』『現代秀歌』も『恋』『旅』『病・死』等の章に分けて書かれていたので、「この本も同じようなものかな」と思って読み始めただが、内容は大きく違っていた。
前著より現代短歌が多く取り上げられている。そして、『介護』『ペットロス』『定年』『求職』など、取り上げられる短歌も身近になっている。本当に忙しい中、著者はどれほど短歌を読んでいるのか、驚いてしまう。
単に秀歌を取り上げて鑑賞するだけでなく、解説を通して現代社会の問題も語られている。
著者本人は「本書はあくまでアンソロジーの域を出るものではない」と述べているが、とんでもない。
これは単なるアンソロジーをこえて、社会への警鐘も含む肉厚の歌論だと感じた。
しかし、文章はとっても分りやすく、短歌を読んでみたいという人にもうってつけの好著だと思う
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年4月21日
- 読了日 : 2015年4月19日
- 本棚登録日 : 2015年3月20日
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