楠木正成は湊川の戦いで自害した。
自身の作戦を後醍醐帝の側近に却下されて必敗必定の戦いに臨んで潔く自害した。ということで、後世においては天皇の忠臣と持ち上げられることになった。「七生報国」は軍国日本のスローガン。楠木正成の存在は、軍国日本と特攻隊の思想的土壌にもつながったといえる。本書は楠木正成の実像に迫っていくストーリー。
楠木正成はゲリラ戦を得意として巧妙で抜け目のない戦いをする。そんな正成にしては最期はあまりに素直で潔すぎるのではないか?それまでの楠木正成とは違いすぎるのではないか?楠木正成は何のために戦っていたか?恩賞の約束も反故にした後醍醐天皇に何を思っていたか?楠木正成を打ち取った大森彦七とは?正成の首は面識がある尊氏が首実検。。。「7回死んで生まれ変わる」は死んだふりして逃げてまた挙兵するという正成による虚実の駆け引きではないか?最後の湊川も。。そうなると楠木正成のイメージは180度ひっくり返る。忠臣、水戸学、、軍国日本と特攻隊、、全てがひっくり返ってしまう。正成が生きていたとすると尊氏はなぜ首実検で「これは正成だ」と認めたのか?など。
南朝を題材としたスリラーでは同じみの謎の結社が登場、2時間ドラマ的な雰囲気。
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- 感想投稿日 : 2023年3月23日
- 本棚登録日 : 2023年3月22日
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