幻想探偵社 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2015年7月15日発売)
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本棚登録 : 433
感想 : 32

本屋さんで発見。
続きがでていたと知り、読み始める。

幽霊専門の依頼のみを受ける、たそがれ探偵社。
そこを訪れるのは、野球に打ち込むことを親に否定されて野球ができなくなってしまった少年、海彦。
そして、扉を開けた探偵社には同じ中学に通う女子がなぜかホラー映画をビデオで観ている。
奇妙な出会いをした二人は、たまたまやって来た依頼人、大島ちゃん(幽霊)の心残りを晴らすべく奮闘するが、いろんな事件に巻き込まれる。

テーマは、微ホラーと、自分の進路は自分で決めろ?
模範的な家庭に見える海彦の家も、グレた大島ちゃんの家庭も何かしら問題はある。見えないだけ。特に親は子供の事を認めるのが難しいらしい(自分が育てているから自分より上でいてほしくない心理ではないか、とか)。
親の心子知らず。子の心親は気付かず。
家族でも気が合う合わないはあると思うけど、自分の気持ちを父に話せるようになった海彦は、きっと成長したと思う。


海彦とユカリの二人の視点がたまに入れ替わり、主人公がどっちか判別つけられない。
ただ、深刻なスランプに陥っていて、かつ女性の前であがりやすい海彦を上手にリードしつつ隣の座をゲットするぜ!と中学生のあざとかわいい面をちょいちょい出すユカリのコンビは物語が進みやすくてサラッと読める。
ユカリがホラー好きだからか、ホラー映画の話や殺人シーンも多いけど全く怖くないので、京極さんや綾辻さんの本は苦手…という人でも大丈夫だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2017年4月22日
読了日 : 2017年4月21日
本棚登録日 : 2017年4月2日

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