殺人事件(?)や超常現象の謎解きよりも、恋に燃え上がった涼子の心の動きや内的独白、館の客人と哲文らの繰り広げる清冽な会話をじっくり反芻する方が読んでいて楽しかった。特に千波の第2の日記帳の部分は、胸に迫るものがある。ヤスミンが解説で佐々木丸美の小説を評して「わかる人は涙しろ、わからぬ者は去れ」と述べている。崖の上に屹立する館ゆえのイメージからか、ただこの内容と文体で書く人は彼女以外にいない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年11月12日
- 読了日 : 2013年11月12日
- 本棚登録日 : 2013年11月7日
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