ヘラクレスの冒険 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房 (2004年9月16日発売)
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本棚登録 : 520
感想 : 53
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多少こじつけとも感じられるが、ヘラクレスの12の難行になぞらえた12の事件。
ポアロの頭脳的策略や、ポアロのヒューマニズムを感じさせる心にくい解決手法が味わえる作品集。
人生相談や身の上相談、教訓話といった、ポアロよりもパーカー・パインが登場した方がふさわしいと感じる話が多いが、楽しめた。
特に、予想外の真相に驚かされる「ステュムパロスの鳥」と「クレタ島の雄牛」、ポアロがトリックを仕掛ける「アウゲイアス王の大牛舎」が面白い。

「ネメアの谷のライオン」
人間の認知機能の限界をうまく扱っている。
「レルネーのヒドラ」
事件関係者の聴き取り調査でポアロは違和感を感じ、犯人に気付く。
「アルカディアの鹿」
愛する人を探してほしいという、雲をつかむような青年の依頼をかなえるために奮闘するポアロ。愛する人は意外なところに。
「エルマントスのイノシシ 」
凶悪な殺人犯と一緒に雪の山頂ホテルに閉じ込められたポアロ。
誰がその凶悪犯か?
「アウゲイアス王の大牛舎」
ポアロの策略が鮮やかに決まり、政界のスキャンダルを見事解決。
「ステュムパロスの鳥」
ステュムパロスの鳥とは誰のことか?
予想外の真相に驚いた。
「クレタ島の雄牛」
狂人の血統とは、そのことだったのか。
「ディオメーデスの馬」
麻薬を扱っている影の人物とは?
「ヒッポリュトスの帯」
名画盗難事件と女学生の失踪事件とのつながりの謎。
絵がどのように処理されたのか、良くわからなかった。
「ゲリュオンの牛たち」
ミス・カーナビが再び登場し、新興宗教の教祖を相手に活躍。
「ヘスペリスたちのリンゴ」
酒盃を取り戻したポアロが、依頼者に要求したこととは?
「ケルベロスの捕獲」
麻薬の意外な隠し場所。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年2月15日
読了日 : 2016年2月15日
本棚登録日 : 2016年2月15日

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