芥川賞をはじめとした多くの賞を得た作家・村田喜代子。彼女が、小説とエッセイにおける文章の秘訣を、微に入り細を穿って明かした文章読本である。
仕事柄、文章読本のたぐいもたくさん読んできたが、これはその中でも五指には入る(※)好著であった。小説家による文章読本といえば、谷崎、三島、井上ひさし、丸谷才一といった有名どころが書いたものがあるが、それらよりも本書のほうが「役に立つ」と思う。
一つひとつのアドバイスがすこぶるわかりやすいうえに、深い含蓄がある。実用書として上質であると同時に、読んで面白い。文章読本でありながら、文章と創作を通しテーマにした見事なエッセイ集にもなっているのだ。
評論や実用文はこの本では扱っていないが、小説やエッセイを書きたいと思っている人にはオススメ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ライター入門
- 感想投稿日 : 2019年5月3日
- 読了日 : 2008年10月18日
- 本棚登録日 : 2019年5月3日
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