200CD21世紀へのジャズ

制作 : 村井康司 
  • 立風書房 (1995年7月20日発売)
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感想 : 1
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20世紀を「ジャズの時代」、すなわちアフリカをルーツとする音楽と西洋をルーツとする音楽が出会い新しい音楽が生まれた時代と捉え、21世紀に向けて音楽的遺産として聴かれるべき200枚のCDを紹介した本です。
ジャンルという固定概念に縛られることなく、様々な音楽が同じ土俵で語られるという点で、画期的なガイドブックです。

ウェイン・ショーターやマイルス・デイヴィスなどの、誰もが疑いなく「ジャズ」と呼ぶアルバムと一緒に、キング・クリムゾン、矢野顕子、プリンス、スティーヴ・ライヒ、はてまたジ・オーブのアルバムが並べられているのです。この混沌とした訳のわからなさが、この本の大きな特徴です。

もうひとつ特筆すべきことは、CDそれぞれが魅惑的なコピーで彩られていることです。例えば、ビル・フリーゼルの「BEFORE WE ARE BORN」。
▼「廃墟に佇む少年」の感性
▼さまざまな音楽のランダムな集積
▼「失われたアメリカ音楽」を探す旅
なんてコピーがつけられているのです。何だかよく分からないけど、すごそうです(笑)

さて、21世紀になって、ジャズはお洒落な雰囲気を演出するBGMになってしまった気がします。ラーメン屋や居酒屋でも普通に流れてます。そんな21世紀だからこそ、逆にいい音楽への道標として大切にしたい1冊です。

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感想投稿日 : 2011年9月4日
本棚登録日 : 2011年8月28日

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