安倍晋三実録

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  • 文藝春秋 (2023年6月21日発売)
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感想 : 11
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安倍氏に最も食い込んだと言われている元NHKの岩田記者。これだけ親密に日々会話を交わしていたとは驚いた。
折々の安倍氏の肉声・苦悩が聞こえるのは本書の良さだが、既に安倍氏の回顧録が出た後では、新しいものには乏しかった印象を受けた。それでも回顧録のモリカケ問題に対する安倍氏の発言には違和感があったが、あれは安倍氏の奢りが招いたものだという著者の分析は得心できた。
安倍氏の発言に「知識の深みなき保守政治家、というのは成り立たない。他方で知性による観念だけの政治も意味をなさない。真の保守政治家は常に勉強や研究を重ね・・・」というのがある。自らの信条・信念を大切にしながら現実的。第一次政権の屈辱の退陣から、自らを律し、研鑽を重ねてきた安倍晋三という政治家が全てが表れているように思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年7月23日
読了日 : 2023年7月23日
本棚登録日 : 2023年7月23日

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