" でも、キキ、さ、ん。魔女なんだから、ボーイフレンドなんか、三ダースぐらい、もたなくちゃ、魔法がよわくなっちゃいますよ "
本巻では、サヤオくんという、出会い頭にナンパしてくるイケ好かない男の子が出てきます。ちょっと80年代的な軽い雰囲気もあるイケイケな若い男の子... と、私もキキと同じく彼を毛嫌いしてしまっていました。しかし、彼が自称「イケイケ派」として生きるのは、彼が、今の社会に対してある違和感を抱いているからでした。彼は、心にグサッと刺さる名言を吐きます。
" ぼくはこのごろぼくたち若者のなかから、そういう冒険の心が少なくなってきてると思うんだ。
キキがね、この町に来たときは、みんなすごくおどろいたと思うよ。でも、今はキキのこと、みんな、あたりまえに思ってるじゃないの。この町でも魔女ってそのぐらいの物になっちゃってるんだよ。ぼく残念でしょうがないよ。
キキはそれでいいの? 魔女の役割はそんなものじゃないでしょ。もっとどんどん世界をひろげて、もっとどんどんドキドキさせなくちゃ。魔法っていう不思議を感じる心まで失ってしまうよ。ドキドキしないなんて、死んでるのとおなじじゃないか。ねえ、魔女さん、ここで一つ、揺さぶって、またおどろきの存在にならなくちゃ、ぼくたち、ふたりで!” (p.161-2)
ドキドキしないのは、死んでるのとおなじ...
なんでも「当たり前」になってしまう世の中。単にドキドキを求めるだけでなく、ドキドキをみんなのために創り出そうと生きるサヤオくんの志に、ハッとさせられました。(イケイケ派の人たちに対する印象も変わりました笑)私もドキドキしたい!!❤︎ (8. 24. 2020 レビュー)
- 感想投稿日 : 2020年8月24日
- 読了日 : 2020年8月23日
- 本棚登録日 : 2020年8月24日
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