今いる仲間で「最強のチーム」をつくる

著者 :
  • 日本実業出版社 (2014年6月19日発売)
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本棚登録 : 198
感想 : 11
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ドクターシーラボ、ネットプライスの2社を経営者として2度の上場を経験させた池本 克之氏の著書。
国内では非常に稀有な「事業会社の拡大経営」「2度の上場経験」「プロ経験者経験」を持つコンサルタント。

高飛車で真似できないマネジメントではなく、実践的な記述に終始しているため、一定のマネジメンター以上はすべからく勉強になる。

泥臭く現場に向き合われた池本氏の考察が記述されていて、最高に勉強になる。

本の内容をまとめると、「相互理解と目標設定」。相互理解は上司と部下はもちろん、部下同士を意識。

◯最強のチームをつくる重要な要素
チーム内の地位や役割に関係なく、メンバーひとりひとりがお互いを理解すること。
そして、チームとしての成果のために成長すること。

全員が自分のチームだという意識を強く持ち、チームに貢献する行動をすることが最強の組織づくりにおいて重要。

◯チームシップとは
全員が自分のチームだという意識を強く持ち、チームに貢献する行動をすることを同氏はチームシップとよんでいます。※特定人物が発揮するリーダーシップに対する言葉※造語
そして、TDC(Team Discovery Camp)というプログラムを重ねることによって、リーダーがリーダーシップを発揮しなくても、メンバーがチームシップによって自発的に動くチームをつくることができると。
さらに、TDCを行うことで、メンバーはお互いに関心を持ち、チーム内から「無関心」がなくなる。

◯TDC
TDCとは、チームシップを高める話し合い、コミュニケーションのこと

・言語を使ったコミュニケーションが肝
日本人は非言語性コミュニケーションが得意で、「一を聞いて十を知る」など聞き手のスキルが要求される。これを「ハイコンテキスト」文化と呼ぶ。
伝え方が多少下手でも、相手は内容を理解してくれることがある。
一方、「ローコンテキスト」文化では話し手の責任が重く、高い伝達スキルが要求される。
グローバル化やSNSの影響で価値観が多様化、日本でもコンテキストが下がっている。だからこれまでにも増して、言語を使ったコミュニケーションが大切になっている。
自分以外は自分と違うこと、自分の価値観を押し付けても人は動かないと理解する。

・コミュケーションのステップ
①伝えたいメッセージをはっきりさせる
②頭の中にあるメッセージを文字にする
③聞き手のメンタルモデルに合わせる
④感覚的+論理的な判断材料を揃える。人は感情で買い、論理で買ったことを正当化する。ストーリーを使ってメンバーの「感性」にアプローチする。
印象的なストーリーがあることで、大切なチームになる。

・チームシップ会議の要点
メンバーがそれぞれの背景を共有し目標を自分達で設定することで自ら動くチームシップがある組織づくりをする。
チーム目標は3行でまとめる。①○日までに(期限)、②○○することで(行動内容)、③○○を達成できる(計測できる成果)
チームで理解し合うべき3つのポイントを把握する。①お互いの力量、②チームの共通目標、③チームのルール

◯メモ
・仲間を信じることができる組織は強い。相互理解が大事
・人に対して不満が生まれるのは自分の価値観を押し付けているから
・自信が生まれるのはその人自身が設定した目標を達成するとき

周りがバカに見えて、メンバーに最低限の仕事しか振らず「自分がやればいい」と考えている人はとりあえず読むべき。
「自分と自分以外の人間は同じではない」を理解できないと、周りへの疑問や不満しかわかない。自分と違うと理解すれば、相手の違いを受け入れられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マネジメント
感想投稿日 : 2021年5月15日
読了日 : 2021年5月15日
本棚登録日 : 2021年5月15日

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