すごい物理学講義

  • 河出書房新社 (2017年5月22日発売)
4.08
  • (29)
  • (25)
  • (14)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 346
感想 : 36
4

最先端の研究に従事している物理学者による、一般向けに最近の研究がどこまで進んでいるかを教えてくれる本。コンセプトは以前読んだ大栗博司先生の『重力とは何か』とかなり似ていて、物理学の辿った歴史を交えて説明がなされる点も同様である。

ではこれらの本の差はどこにあるのかというと、一つ目は大栗先生の本は新書ということもあり現代の話が主であるのに対し、こちらは話の起点が古代ギリシアまで遡ること。物質はそれ以上分けられない原子で構成されているという原子説の起源はそんなところにあるのかと驚いた。もう一つの大きな違いは、著者の方々の専門としている理論である。量子重力理論は未だ未完成で、複数の有力候補が挙げられている。それらのうち大栗先生の本では超弦理論を、こちらではループ量子重力理論を扱っている。感想としては複数の理論の間で量子論と重力理論の統合する方法の違いを感じて非常に面白かったのだが、理論の中身について触れようとすると何を書いても間違ったことしか書けないと思うので、興味のある方は(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75127)こちらを読んでみていただきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 物理学
感想投稿日 : 2021年1月26日
読了日 : 2021年1月20日
本棚登録日 : 2021年1月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする